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青山英樹|ドラマー名鑑

青山英樹(あおやま ひでき) —— 世界のスタジアムを震撼させる強靭なメタルの咆哮と、完璧なるタイム感の系譜

BABYMETALの「神バンド」として世界中の巨大アリーナやフェスティバルを震撼させ続け、B’zの「B’z presents UNITE #01」および「B’z LIVE-GYM 2022 -Highway X-」といった日本最大級のステージで圧倒的に重厚なビートを叩き出すドラマー、青山英樹。日本を代表する名ドラマー・青山純の血脈を受け継ぎながらも、決してその偉光に甘んじることなく、自らの道を切り拓いてきた本物のドラマーである。彼が操るプレイスタイルは、重機のごとき威力を誇るツーバス(ツインペダル)を駆使したラウドかつヘヴィなメタルドラミングから、ボーカリストの呼吸に寄り添う繊細で緻密なポップス、そして巨大な空間を支配するエッジの効いたダイナミックなロックまで、あらゆる限界を軽々と凌駕する。

現代の日本の音楽シーンにおいて、彼が叩き出すビートは単なる伴奏ではなく、楽曲そのもののスケールを決定づける巨大なエンジンとして機能している。「バンドのボトムを支える」という職人的な哲学を胸に、彼が座るドラムスツールの後方から放たれる強靭なグルーヴは、フロントマンたちに絶対的な安心感を与え続ける。現在、Rockon Social ClubやNARITA THOMAS SIMPSONといったバンドのメンバーとしても活動し、表現の枠をさらなる高みへと押し上げている青山英樹。なぜ彼は、国内外を問わずこれほどまでに多くのトップアーティストから求められ、賞賛され続けるのか。彼が鳴らす圧倒的な音像の奥底に秘められた、タイムキーパーとしての哲学とドラミングの真髄に迫る。

プロフィール

項目情報
氏名青山英樹(あおやま ひでき)
生年月日1986年8月29日
所属バンドRockon Social Club
NARITA THOMAS SIMPSON

経歴

出来事
1986年8月29日、誕生。実父は名ドラマーの青山純。
2021年「B’z presents UNITE #01」にてB’zのサポートドラマーとして抜擢される。
2022年「B’z LIVE-GYM 2022 -Highway X-」に参加し、大型ツアーのドラムを担当。

使用機材

現在、Drummer JAPAN編集部にて公式エンドース情報および使用機材の一次情報を確認中です。

エピソード・深掘り:あらゆるジャンルを飲み込む「重厚なグルーヴ」の正体

父・青山純から受け継いだDNAと、自らのスタイルを構築するまでの道のり

青山英樹というドラマーの根源を語る上で欠かすことのできない最重要ファクター、それは実父である青山純から受け継いだ音楽的DNAである。青山純と言えば、山下達郎やMISIAをはじめ、日本の音楽史に燦然と輝く数々の名盤・名演を根底から支え続けた、誰もが認める日本屈指のトップセッションドラマーである。しかし、青山英樹が歩んできた道は、決して単なる「偉大な父のプレイスタイルの模倣」や「後継者としての安住」ではない点にこそ、真の価値がある。

彼が父から無意識のうちに、あるいは強烈な教育として受け継いだ最も重要な根幹は、どんな過酷なテンポ変化の要求や極限のライブ環境下でも決して揺らぐことのない「圧倒的に安定したタイム感」である。ドラマーにとってのタイム感とは、単にメトロノームと完全に同期できるという機械的な正確さを指しているわけではない。それは楽曲全体の呼吸を瞬時に読み取り、ボーカリストのブレスのタイミングを測り、アンサンブル全体が最も心地よく響く「絶対的な正解のポイント」へと導くための、高度に洗練された音楽的な羅針盤である。青山英樹のプレイを聴けば、例えばスネアドラムのバックビートの位置が、常に狙い澄まされた一点に深々と突き刺さっていることがわかる。決して性急に走ることはなく、かといってルーズにモタることもない。そこには徹頭徹尾、生きた人間の確かな鼓動が存在している。父が築き上げた、日本のポップス史において「歌に極限まで寄り添う完璧なグルーヴ」という哲学は、青山英樹という極めて現代的でアグレッシブなフィルターを通すことによって、ラウドかつ複雑怪奇な現代のサウンドスケープの中でさえ微塵も揺るがない、鋼鉄の大黒柱へと見事な進化を遂げたのである。

メタルドラミングの極致 —— 「神バンド」として世界と対峙する強靭な肉体と精神力

青山英樹の知名度を日本国内から一気に世界レベルへと押し上げ、グローバルなドラマーの系譜にその名を深く刻み込んだ最大の功績の一つが、BABYMETALのサポートである「神バンド」における活動である。BABYMETALの唯一無二の音楽性は、エクストリームメタルに匹敵する極端なまでにヘヴィで高速なサウンドと、ポップでキャッチーなメロディ、そして激しくも可憐なダンスパフォーマンスが、奇跡的なバランスで高次元に融合している点にある。この途方もないエネルギーの渦を狂いなくライブという生身の空間で成立させるためには、ドラマーには超人的なレベルの体力、持久力、そしてコンピュータを凌駕するような精密さの両方が同時に要求される。

青山英樹は、現代メタルシーンの象徴とも言えるツーバス(ツインペダル)をフルに駆使した怒涛の16分音符の連打や、体力を激しく消耗するブラストビート、さらには変拍子が複雑にフラクタル状に入り組むプログレッシブなフレーズの数々を、完璧なポーカーフェイスで乱れることなく叩き切る。国内外の長期間にわたる過酷なワールドツアー、そして巨大なアリーナや野外フェスティバルにおいて、彼が叩き出す強靭かつ正確無比なビートは、ステージ上で歌い踊るフロントマンたちにとって、どんな悪路でも倒れない絶対的な足場となる。海外の耳の肥えた筋金入りのメタルファンや、超絶技巧を誇る現地のミュージシャンたちからも、彼のプレイには惜しみない賞賛が送られている。メタルという極端なジャンルにおいて、ドラムは単なる演奏の土台にとどまらず、楽曲が持つ凶暴性、攻撃性、そしてスタジアムを包み込むスケール感を決定づける最も重要なメインエンジンとなる。青山英樹のメタルドラミングは、その巨大なエンジンを常に限界値のさらに先まで回し続けながらも、決してオーバーヒートを起こさせない、冷徹なまでのコントロール能力を併せ持っているのである。

スタジアムを制圧する重厚なグルーヴ —— B’zと吉川晃司が絶賛した「ボトムを支える」力

日本中のロックファンを熱狂させる至高のロックユニットであるB’z、そして長きにわたり日本のロックシーンの絶対的アイコンとして君臨する吉川晃司。彼らのような、ドームやスタジアム級の膨大な観客動員を誇るトップアーティストのステージでは、数百人規模のライブハウスや数千人規模のホールとは全く異なるスケールと質圧のドラミングが要求される。それは、シンバルやスネアを叩いた瞬間の音の立ち上がりの圧倒的な速さ、遠く離れた客席の最後列までビートを届かせる音の飛距離、そして何万人という人々の鼓動をたった一つの巨大なうねりに巻き込んでいく絶対的なパワーと説得力である。

2021年に大きな話題を呼んだ「B’z presents UNITE #01」、そして日本中を熱狂の渦に巻き込んだ2022年の「B’z LIVE-GYM 2022 -Highway X-」において、青山英樹はB’zのサポートドラマーという、あまりにも重要でプレッシャーのかかるポジションに抜擢された。松本孝弘が鳴らす、誰もが知るあの分厚く圧倒的で色彩豊かなギタートーン、そして稲葉浩志の天を突き抜けるような超絶的なボーカルワーク。この二つの巨大な才能に対して、青山英樹は決して萎縮することなく、持ち前の力強く重厚感のあるダイナミックなロックビートで真っ向から応対した。「バンドのボトムを支える」ことに美学と矜持を持つ彼の職人的なプレイスタイルは、B’zという巨大な主役の二人を決して邪魔をすることなく、それでいて楽曲の根底に力強く流れるハードロックの根源的なダイナミズムを、スタジアムのスケールに合わせて最大限に増幅させたのである。

同様のことが、吉川晃司のステージにおいても言える。ロックボーカリストとしての色気と野性味を放つ吉川晃司に対して、青山英樹は極めてエッジの効いた锐利なビートを提供する。タイトに刻まれる16分音符のカッティングギターや、空間を埋め尽くすシンセサイザーの広がるサウンドの隙間を完璧に縫うように、確実なアクセントを重いスネアで刻み込む。彼の叩くドラムには、ただ単に音量が大きい、あるいは手数が多いというだけでなく、一打一打に魂がこもったような「重み」がある。その重みこそが、スタジアムという広大で時に散漫になりがちな空間を、純度の高い音楽的エネルギーで隅々まで満たすための絶対条件なのである。

アニソン・ロックの頂点における驚異的な推進力 —— JAM Projectでの躍動とダイナミクス

ロックとメタルの要素を高い次元で融合させ、国内外に熱狂的なファンを持つJAM Projectの現場における青山英樹のプレイスタイルもまた、彼の並外れた対応力と音楽的感性を如実に証明している。何人もの超ド級のパワーを持つボーカリストたちが、それぞれのフルパワーで熱いメッセージを歌い上げる、言わば「熾烈を極めるボーカルの交差点」。それがJAM Projectの楽曲の真髄である。そこに要求されるのは、単に正確なリズムを刻む機械的なビートではなく、熱く、力強く、そしてどこまでもドラマチックなアニソン・ロックのサウンドを、一番後ろから猛烈な勢いで牽引し続ける強烈な推進力である。

JAM Projectのステージでは、メタルのような精緻なテンポコントロールやテクニカルなフットワークはもちろんのこと、聴く者の血を瞬時に沸き立たせるような「エモーショナルなうねり」と「熱気」が不可欠となる。青山英樹のドラミングは、フロントのボーカリストたちが放つ規格外のパッションに完璧に呼応し、まるでドラムセット自体が彼らとともに歌い、叫び、涙を流しているかのような豊かなダイナミクスを描き出す。大合唱が巻き起こるサビへと向かって一気にバンドのエネルギーを爆発させる直前に叩き込まれる、雷鳴のようなタムのフィルイン。曲のクライマックスで解き放たれる、シンバルのクラッシュ一発に込められた狂気すら帯びた気迫。長年にわたり彼がJAM Projectの重厚なステージを屋台骨として支え続けられるのは、単に身体的な技術や持久力がずば抜けて高いからだけではない。楽曲に込められた強いメッセージ性や、全霊で歌い上げるボーカリストの魂の震えに深く共鳴し、それを「ビート」という目に見えない最も原初的なエネルギーの形へと変換し、音圧として増幅させることができるからこそである。

サポートメンバーから表現の主体たる「バンドメンバー」へ —— Rockon Social ClubとNARITA THOMAS SIMPSON

数々の錚々たるトップアーティストたちのステージを支え続け、日本の音楽業界において有数のマルチなサポートドラマーとなった青山英樹であるが、彼の音楽探求の旅はそこでは終わらない。現在、彼はRockon Social ClubやNARITA THOMAS SIMPSONといったバンドに「正式メンバー」として名を連ね、精力的な活動を行っている。これは彼のキャリアにとって、単なる「腕利きの職人的なサポートミュージシャン」という立場から、「クリエイティブの根幹に属し、バンドの運命を共にするアーティスト」への大きな覚醒を意味している。

サポートドラマーとしての彼は、アーティストが脳内に思い描く理想のサウンドを、極めて高い精度で具現化し、再現する「完璧な鏡」であった。しかし、正式なバンドメンバーとしての彼は、自ら楽曲のアイデアを提案し、フロントマンや他の楽器隊と有機的に絡み合いながら、何もない真っ白な状態から音楽を構築する「発信者」の顔を持つ。これらのバンドにおける彼のプレイスタイルを注意深く聴き込むと、サポートの現場ではあえて抑えがちな、よりパーソナルでむき出しの色合いが色濃く反映されていることがわかる。アンサンブルの微細な隙間を縫うように散りばめられる極めて繊細なゴーストノート、そして何よりも「このバンドのグルーヴを俺が決定づける」という気概に満ちている。これまでの驚異的なキャリアの中で培ってきた、膨大かつ多岐にわたる音楽的引き出しを惜しげもなく開け放ち、楽曲に秘められた潜在的なポテンシャルを極限まで引き出していくプロセスにおいて、青山英樹という存在は必要不可欠な原動力となっている。

日本のドラマー文化における青山英樹の位置づけと存在意義

今後、10年後あるいは20年後に日本のドラマー史、ならびに音楽史が編纂される時、青山英樹という名前は間違いなく「特筆すべきエポックメイキングなターニングポイント」として記録されることになるだろう。彼が現在の日本の音楽界において放っている存在意義は、一人の優秀なプレイヤーという枠組みを超え、大きく分けて二つの文化的な歴史的貢献として結実している。

第一に、「スタジオミュージシャン文化の正統な継承と、現代ライブエンターテインメントへのアップデート」である。昭和後期から平成にかけて、日本の音楽業界には、目の前に置かれた複雑な譜面を初見で瞬時に読みこなし、プロデューサーの要求に音色で完璧に応え、クリックに対して1ミリのズレも許さない一発録りで歴史的テイクを残すという、高度な「スタジオミュージシャン文化」が権勢を誇っていた。父である青山純は、間違いなくその文化の中心に君臨する最重要人物であった。青山英樹は、このプレッシャーの中で培われた「正確さ」への精神性、そしてそれを裏付ける圧倒的なタイム感を、血肉として間違いなく継承している。しかし、彼はその受け継いだ至高の技術を、密室であるレコーディングスタジオの中のアンサンブルの中だけには留めなかった。彼はそれを、数万人が絶叫するスタジアムや、言語すら通じない世界各国の巨大なメタルフェスという、最も肉体的に過酷な環境へとダイナミックに持ち出し、どんな轟音の中でも輪郭を失わない強靭なビートとして鳴らし続けている。これは、日本の古き良き緻密な職人芸と、令和のグローバルで巨大なライブエンターテインメントとを見事に接続した、生きたアーカイブとしての功績である。

第二に、「世界基準のエクストリーム・メタルドラミングを、日本のアイデンティティとして確立させた功績」である。BABYMETALの神バンドをはじめとする海外での活動を通じ、彼は「日本のドラマーが生み出すビートは、欧米の本場のメタルシーンにおいても全く引けを取らない強靭さ、正確さ、そして信じがたいスタミナを備えている」という事実を、世界中のオーディエンスに対して生身で証明し続けている。往々にして海外のラウド系バンドが持ち味とするような荒々しい野性味やルーズなノリとは一線を画す、まるで鍛え上げられた日本刀のように研ぎ澄まされた鋭角的なプレイ。複雑な変拍子や超高速のペダルワークを、一切の苦悶の表情を見せることなく涼しい顔で叩き切るその姿勢は、海外のファンに「日本のミュージシャンの凄み」を視覚的にも聴覚的にも強烈に焼き付けた。

ラウドで破壊的なメタルから、息を呑むほどに繊細なポップス、スタジアムを支配するダイナミックなロック、さらには熱狂的なアニソンまで、あらゆる音楽ジャンルの境界線を軽々と飛び越えながら、自身が座るドラムスツールの後方から、決して揺らぐことのない絶対的なボトムを提供し続ける青山英樹。彼は、ドラマーが単なる「伴奏者」ではなく、音楽そのもののスケールを決定づける「支配者」であることを、多くを語らない無言の背中で証明し続けている。彼の存在は、現在そして未来のドラマーへとつながる「生きた重低音の歴史」として、音楽史の最深部に深く刻み込まれていくのである。

横井ジン
横井ジン
https://drummerjapan.com/
映像ディレクター / Drummer JAPAN編集長 TVディレクターを経て2005年より本メディアを主宰。映像制作のプロとして、また一人のドラマーとして、偉大なプレイヤーたちの軌跡を映像で後世に遺すプロジェクトを牽引。生涯、映像とドラムと共に。

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