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青山英樹|ドラマー名鑑|Drummer JAPAN

圧倒的な手数と破壊的なツーバス、そして歌心に溢れる緻密なグルーヴで、現在の日本のラウドロック・アニソン・J-POPシーンを文字通り支える最高峰のセッションドラマー、青山英樹。世界的メタルダンスユニット・BABYMETALを支える「神バンド」の一員として海外の巨大フェスを席巻する一方で、JAM Projectといった数々のアニソン・プロジェクトから、B’zや吉川晃司、さらには男闘呼組のメンバーからなるRockon Social Clubに至るまで、求められるサウンドの振り幅は限界を知らない。伝説のスタジオドラマーであった父・青山純から受け継いだ「歌を活かす」という確固たる信念と、彼自身が敬愛するメタル・ドラミングの圧倒的な身体性が融合したそのプレイスタイルは、ジャンルという壁を軽々と破壊し続けている。「無数の手数の中に、一切の無駄がない」という矛盾すら成立させる彼のドラムは、現代日本の音楽業界における一つの到達点である。


基本プロフィール

項目 内容
氏名(名義) 青山英樹(あおやま ひでき)
公式ローマ字表記 Hideki Aoyama(本人の公式SNS・YAMAHA公式サイト等準拠)
生年月日 1986年8月29日
出身 東京都
担当 ドラムス
主な所属・参加活動 BABYMETAL(神バンド)、Rockon Social Club、JAM Project 等サポート
エンドーサー YAMAHA(ドラムキット)、PAiSTe(シンバル)、LERNI(スティック)等
家族 父:青山純(プロドラマー・2013年没)、弟:青山友樹(プロドラマー・2018年没)
プレイスタイル ヘヴィメタル、ハードロック、J-POP、アニソン

ドラマーとしての特徴:剛腕と繊細さを両立させる究極のバランス感(プレイスタイル詳細)

青山英樹のドラミングを形容する際に最も頻発する言葉は「ヘヴィでありながら、極めて歌心的」という表現である。BABYMETALのライブ会場で彼の演奏を聴いた直後であれば、誰もがその凶悪なまでのツーバスの連打と、高速BPM(時にはBPM200以上)を全くブレることなく叩き切る恐るべき持久力に圧倒されるだろう。しかし彼の真骨頂は、単なる「速さ」や「パワー」にあるのではない。

彼のプレイスタイルの最大の武器は、どれほど手数が多く、どれほど激しいビートを叩いている最中であっても、「ボーカルのメロディラインを一切殺さない」という絶妙なダイナミクスのコントロールにある。彼はアタックの強弱をセンチ単位、グラム単位で制御しており、ハイハットの開き具合やスネアのゴーストノート(弱音)の配置によって、楽曲に立体的な波を作り出している。単に音を埋めるフィルインではなく、「次に歌が入りやすいように」「ギターソロが最も引き立つように」という明確な計算と配慮が成されたフィルインなのである。

ハードロックやメタルにルーツを持つ彼のフットワークは、まさに重戦車である。16分音符の連打において、すべての音が均等な音量と音色で鳴らされるため、ライブハウスの床を突き抜けて腹の底に響く。それでいて、バラードやミドルテンポの楽曲で聴かせる、スネアのバックビートの深さと余韻の作り方は、父であり伝説のスタジオミュージシャンであった青山純の血を色濃く感じさせる。

シンバルのアプローチにおいても彼は独特の美学を持っている。シンバルを高めに、そして地面に対して可能な限り水平にセットするそのフォームは、彼が敬愛する樋口宗孝(LOUDNESS)からの影響であると公言している。腕を大きく振りかぶり、シンバルのエッジを正確にクラッシュするそのモーションは、視覚的にも「魅せるロックドラム」のお手本である。彼にとってドラムとは、リズムをキープするための機械ではなく、フロントマンと共にステージの熱狂を生み出す巨大な感情表現の装置なのである。


キャリア年表:伝説の系譜を継ぎ、独自の世界を切り拓く

幼少期〜10代:偉大なる父の背中とメタルへの目覚め 日本のレコーディング史において最も重要なドラマーの一人である青山純を父に持ちながらも、幼い頃の英樹は父の職業を「普通のサラリーマンとは少し違う」程度にしか認識していなかった。彼が本格的にドラムに触れたのは中学生の時である。友人からの「親父がドラマーなんだから叩けるだろ」という言葉をきっかけにスティックを握り、Led Zeppelinのジョン・ボーナムに没頭した。さらに、X JAPANのYOSHIKIの圧倒的なスピードとパフォーマンスに衝撃を受け、「速さこそ正義」というメタルの魅力に取り憑かれる。父から直接的なドラムのレッスンを受けることは少なかったが、「これを聴け」と手渡された名盤の数々が彼の音楽的教養を形作っていった。

2000年代〜2010年代初頭:プロとしての苦悩と開花 日本芸術高等学園に進学し、10代の頃から年上のプロミュージシャンたちとのセッションに放り込まれるという過酷な現場で修業を積んだ。当初は「青山純の息子」という巨大すぎる看板がプレップレッシャーとなり、胃の痛くなるような日々を過ごしたという。しかし、持ち前の負けん気と圧倒的な練習量によって、自身のルーツであるハードロックの要素を主体としながらも、どんなジャンルにも対応できる適応力を身につけていく。きただにひろし等のサポートをきっかけにアニメソング業界への足がかりを掴み、次第に「青山英樹」という個としての名前が業界内で評価され始める。

2013年〜:「神バンド」としての世界的飛躍 2013年、彼のキャリアを決定づける大きな転機が訪れる。BABYMETALのバックバンド、通称「神バンド」のドラマーとしての起用である(神バンド内では白塗りのメイクを施している)。アイドルとメタルの融合という前代未聞のコンセプトにおいて、彼の叩き出す強靭極まりないリズムは、BABYMETALのサウンドに絶対的な説得力を持たせた。日本武道館、東京ドーム、そして海外の巨大メタルフェス(SonisphereやDownload Festival等)での熱狂的なパフォーマンスを通じ、彼のドラミングは名実ともに「世界基準」の評価を獲得することとなった。奇しくも同年、父である青山純が急逝。大きな喪失を抱えながらも、彼はドラマーとしての使命をいっそう強く胸に刻むこととなる。

2020年代〜:トップ・セッションマンとしての完成と新たなステージ BABYMETALやJAM Projectといった世界を股にかける活動に加え、吉川晃司やVaundyなど、世代やジャンルを超えたアーティストからの熱烈なオファーが絶えることはない。2022年には、元・男闘呼組のメンバーらによって結成されたRockon Social Clubのレギュラードラマーに抜擢される。「親父が叩いていた時代のロックの熱量」を後世に伝えるような、血の通ったオールドスクールなロック・アプローチも見事に体現し、「現在日本で最も多忙で信頼されるドラマーの一人」としての地位を不動のものとしている。


使用機材

ドラムキット:YAMAHAと「見せるセッティング」の哲学

YAMAHA(ヤマハ)の強力なエンドーサーであり、主に「Recording Custom」シリーズなどを愛用している。バスドラムを2台並べたツーバスセッティング(22インチ等)を基本とし、ライブハウスからスタジアムまで、どんな環境でも芯のあるふくよかな低音を響かせるための完璧なチューニングが施されている。 タムは10インチ、12インチ、14インチなど多点構成をとることも多い。彼特有の「打面を可能な限り水平にする」というセッティングは、LOUDNESSの樋口宗孝のスタイルをリスペクトしたものであり、スティックのチップがヘッドに対して最も効率よく当たる角度を保ちつつ、観客からの見栄え(ドラムセットの美しさ)を極限まで追求した結果である。

スネア

YAMAHAのメタルシェル(ブラスやアルミニウム等)や、こだわりのウッドシェルなど、楽曲のキャラクターに合わせて複数台を使い分ける。BABYMETAL等の激しいプロジェクトでは、ブラストビートの中でも輪郭が失われない、金属的でアタックの強いハイピッチなチューニングのモデルを多用する傾向がある。

シンバル:PAiSTeのクリアな輝き

長年にわたりPAiSTe(パイステ)のシンバルを愛用。代表的な2002シリーズやSignatureシリーズなど、明るくクリアで抜けの良いサウンドを好んで配置している。クラッシュシンバルをドラムセットの頭上に複数枚高く並べ、左右の腕をクロスさせるようにして連続して打ち鳴らすダイナミックなフォームは、PAiSTeシンバルの持つ鮮烈なアタック音と完全にリンクしている。


主な参加アーティスト・プロジェクト

BABYMETAL 神バンド(2013年〜)

世界中のメタルヘッズを唸らせたBABYMETALのサウンドの「核」である。『Road of Resistance』での狂気的なスピードのツーバス連打や、『メギツネ』での日本的な祭囃子のリズムとメタルの融合など、彼の技術的ショーケースとして見ても歴史的価値が高い。海外のライブ評論でも常に「バックバンドのリズムセクションの異常なまでの質の高さ」が言及されている。(★★★ 公式映像作品・ライブクレジット確認済み)

B’z との特別な縁(2023年〜)

「B’z presents UNITE #01」や「LIVE-GYM Pleasure STARS」等にサポートドラマーとして参加。かつて彼の父・青山純がB’zの数々の名曲(「Calling」「Don’t Leave Me」等)のレコーディングを支えていたという背景もあり、親子二代にわたるB’zとの運命的なコラボレーションは、多くの古参ロックファンを感涙させた。ハードロックの王道とも言えるシャッフルやエイトビートにおいて、彼のルーツが最もストレートに表現された瞬間である。(★★★ 公式ニュース・SNS投稿確認済み)

アニソン・J-POPサポート(JAM Project, Vaundy等)

JAM Projectでは、影山ヒロノブらの圧倒的な声量に打ち勝つだけの極真空手のようなパワー・ドラミングを披露。一方でVaundyのライブでは、現代的なR&Bやネオ・ソウルのグルーヴを極めてタイトなタイム感で刻み出す。一つの身体から全く別人のようなビートを叩き出すその適応力は、最高級のスタジオミュージシャンとしての才能を証明している。


エピソード

父・青山純から受け継いだ魂と「ラーメン屋」の哲学

彼は10代の頃から、父の存在の巨大さに圧倒され、「青山」という名前を背負うことに強いコンプレックスを抱いていたという。しかし、プロとして第一線に立ち、数多の修羅場をくぐり抜けた現在、彼は自身のプレイの中にふと現れる「親父っぽさ」を心から誇りに思っている。 彼が深く刻み込んでいる父からの教えに、「ラーメン屋の例え」がある。「本当に良いラーメン屋は、流行り廃りに流されず、ただ黙々と、ずっと美味いラーメンを作り続けるんだ」という言葉。それは、時代のトレンドに迎合するのではなく、自分自身の信じる最高の音を、どんな現場であっても提供し続ける職人としての美学である。現在、彼は全くジャンルの異なる現場においても、常に「青山英樹の最高の音(ラーメン)」を一切の妥協なく提供し続けている。(★★★ インタビューでの発言より)

弟・青山友樹への想い

同じくドラマーとしてnano.RIPE等で活躍していた実弟の青山友樹は、2018年に急性心不全により29歳という若さで帰らぬ人となった。偉大な父と才能ある弟を相次いで見送るという壮絶な悲しみを経験しながらも、英樹のドラムの出音から一縷の暗さも感じられないのは、彼が「残された自分が、青山家のドラムの魂をすべて背負って鳴らす」という異次元の覚悟を決めているからに他ならない。彼の叩く力強い一打一打には、ドラムを愛してやまなかった家族たちの想いが込められている。


ロック/セッションドラマーとしての位置づけ

2010年代以降の日本のラウド・セッション・シーンにおいて、彼以上に「演奏の説得力」によってジャンルの壁を破壊したドラマーは存在しない。旧来的な「スタジオミュージシャンは個性を消して裏方に徹する」という概念を打ち破り、「青山英樹という圧倒的な個性があるからこそ、そのバンドの音が劇的に良くなる」という新時代のサポート・ドラマーのあり方を確立した。

技術的にも、現代の高度にプログラミングされた楽曲に対し、人間が叩くことでしか生み出せない「熱量」と「歌心」をどう付加するかの最高のお手本となっている。ラウドロックの凶暴性とポップスの優しさを一つのドラムセットの中で共存させることができる彼は、間違いなく現在の日本音楽界における最強の守護神の一人である。


Drummer JAPAN 人気投票 2025 での扱い

Drummer JAPANによる「日本のドラマー人気投票2025」において、青山英樹は第25位(225票)を獲得した。特筆すべきは、彼の票が特定の固定ファン層を持つ単一のバンドだけでなく、BABYMETALのメイト(ファン)、アニソンファン、往年のJ-ROCKファンなど、極めて広範な音楽愛好家たちからの支持を集めて構成されている点である。プロミュージシャンやドラム学習者からのプロップス(尊敬)も非常に高く、真の実力と知名度が完全に比例している、名鑑において極めて価値の高いドラマーであることを証明している。


所属バンド/レーベル 変遷

期間 所属/活動形態 備考
2000年代後半〜 セッション・サポート活動開始 アニメソング、J-POPのバックを数多く務める
2013年〜 BABYMETAL 神バンド スタジアム・ワールドツアーで名を轟かせる
2022年〜 Rockon Social Club レギュラードラマーとして活躍。等、他多数の現場を並行

最終確認:2026-04-18


出典

  • 青山英樹 公式SNSアカウント(X等) ★★★
  • BABYMETAL, Rockon Social Club, JAM Project 各公式ディスコグラフィー ★★★
  • YAMAHA ドラムス 公式エンドーサー情報・PAiSTeアーティスト情報 ★★★
  • Drummer JAPAN等における過去のインタビュー、使用機材レポートでの発言・哲学の解析 ★★

今後追記予定の欠損情報

  • 【全サポートレコーディング作品の完全網羅リスト】:未確認(★☆留保:アイドルのバックから大物シンガーのレコーディングまで活動領域が天文学的であり、正確なディスコグラフィの作成には膨大な確認作業を要するため)

このページはDrummer JAPANが独自に制作したドラマーアーカイブです。情報は随時更新します。

横井ジン
横井ジン
https://drummerjapan.com/
映像ディレクター / Drummer JAPAN編集長 TVディレクターを経て2005年より本メディアを主宰。映像制作のプロとして、また一人のドラマーとして、偉大なプレイヤーたちの軌跡を映像で後世に遺すプロジェクトを牽引。生涯、映像とドラムと共に。

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