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太田明 —— アングラの狂気を下支えした、筋肉少女帯の黄金期を担う超絶技巧

大槻ケンヂを中心とし、昭和のアンダーグラウンド文化やホラー、文学をミクスチャーした唯一無二の世界観で熱狂的なファンを生み出したバンド「筋肉少女帯」。そのあまりにも特異な楽曲群は、橘高文彦や本城聡章らによる高度なハードロック/ヘヴィメタルの技術に裏打ちされていた。そして、その極度に難解で変態的なプログレッシブ・アンサンブルの屋台骨として、デビュー時から黄金期を強固に支え続けたドラマーが太田明である。

ハードロックの豪快なツーバスから、ファンク、フュージョンに至るまであらゆるジャンルを叩きこなすその技術力は圧倒的であり、「プロのドラマーからの支持が最も厚いドラマー」と評されるほどである。

プロフィール

氏名
太田明(おおた あきら)
活動・所属
(元 筋肉少女帯)/セッションドラマー

経歴

1988年
「筋肉少女帯」のメジャーデビューアルバム『SISTER STRAWBERRY』からドラマーとして参加し、その後正式加入。
1990年代
日本武道館公演を4度成功させるなどバンドの大ブレイクに多大なる貢献を果たす(1998年に脱退)。
脱退後〜現在
相川七瀬、藤井フミヤ、寺田恵子など、多様なアーティストのツアーやレコーディングのサポートを中心に活動。またドラム講師として音楽教室での指導にも力を入れている。

使用機材

特定のメーカーのフルセットに固執することはなく、ライブ会場のキャパシティや演奏ジャンルに合わせて機材を細かく使い分ける研究熱心な職人肌である。
  • ペダル: CAMCO(カムコ)製のペダルなどをあえて「遊び」を持たせたセッティングで使用し、音量をコントロールする。
  • シンバル: Paiste(パイステ)等。
  • 電子ドラム: Roland V-Drums(黎明期からデモンストレーターを務めるほど電子楽器への造詣も深い)

深掘り:楽曲の「へそ」を探り当てるアプローチ

筋肉少女帯という「難題」

筋肉少女帯の楽曲は「イロモノ」として語られがちだが、リズム隊としての要求値は異常に高い。変拍子が乱れ飛ぶプログレ展開や、いきなり演歌調やスラッシュメタルに変わるようなカオスな楽曲群において、太田明は決して曲展開に振り回されることなく、つねに音楽の重心(本人はそれを「ビートのへそ」と呼んだ)を捉えた重圧なビートを叩き出していた。

究極の現場主義

彼のアプローチは極めて現場主義的であり、ライブハウスやホールの音響特性(残響の長さなど)を冷静に計算し、「強く叩きすぎないためのチューニングやペダル設定」を行うほど、一音一音のニュアンスにこだわっている。

ドラマー文化における存在意義

1980年代後半のバンドブームの中で、「技術的な高さ」と「サブカルチャーの極北」を最も高い次元で両立させた筋肉少女帯のサウンドは、太田明の極めて多彩で論理的なドラミング抜きには成立しなかった。「変なことをやるバンドほど、後ろで叩いているドラマーは超一流でなければならない」という真理を見事に体現している、邦楽ロック史の貴重なアーカイブである。
横井ジン
横井ジン
https://drummerjapan.com/
映像ディレクター / Drummer JAPAN編集長 TVディレクターを経て2005年より本メディアを主宰。映像制作のプロとして、また一人のドラマーとして、偉大なプレイヤーたちの軌跡を映像で後世に遺すプロジェクトを牽引。生涯、映像とドラムと共に。

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