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亞ん|ドラマー名鑑|Drummer JAPAN

「中毒」や「雨」といったダークで痛切なコンセプトを中心に据え、現代ヴィジュアル系シーンにおいて異彩を放ち続けるバンド、ザアザア。その退廃的で感情の起伏が激しい世界観を、底辺から生々しいビートで支えているのがドラマーの亞ん(あん)である。2017年のバンド加入直後に不慮の交通事故による大ケガに見舞われながらも、奇跡的な復帰を果たしてドラムスローンに座り続ける彼の姿は、ザアザアというバンドが持つ「痛み」と「生きる執着」を体現しているかのようである。彼のプレイスタイルは、ヴィジュアル系特有の疾走感と、ヘヴィな楽曲における重厚な縦ノリを兼ね備えており、ボーカル・一葵の演劇的で狂気じみたパフォーマンスをリズム面で完璧にコントロールしている。「雨」を降らせるような繊細なシンバルワークから、土砂降りのようなツーバスの乱れ打ちまで、情景描写に長けた表現力が大きな武器である。

基本プロフィール

ドラマーとしての特徴:雨音から轟音へのダイナミクス(プレイスタイル詳細)

ザアザアの楽曲は、「雨」をモチーフにした陰鬱なアルペジオから始まり、突如としてメタルコアやラウドロックのような激しいブラストビートやブレイクダウンへと展開する、など起伏の激しい構成が多い。この感情のジェットコースターのような音楽性において、亞んのドラミングはバンドのテンションを司る心臓部として機能している。
彼のドラムの最大の特徴は、その「切り替えの早さとダイナミクスの幅」にある。静かなセクションでは、ハイハットやライドシンバルを極めて繊細にタッチし、まさに雨のしずくが落ちるような切ない音色を奏でる。しかし、サビや間奏の激しいセクションに突入した瞬間に、彼はスイッチが入ったようにフォームを大きくし、重いスネアのバックビートとツーバス(ツインペダル)の連打へと移行する。この静と動のコントラストが、バンドの「病み」や「狂気」といった表現に強烈な説得力を与えている。
また、ヴィジュアル系というカルチャーにおいて重要な「視覚的な美しさ」も持ち合わせている。手数の多いフィルインを叩く際のスムーズなスティッキングや、俯き加減から鋭い視線を客席に向けて煽るパフォーマンスは、ファン(バンドの呼称では「中毒者」)を熱狂させる。さらに、長野県出身というバックボーンからか、どこかストイックで忍耐強いプレイスタイルの芯を持っており、一葵(Vo)、春(Gt)、零夜(Ba)といった個性の強いフロント陣がどれだけステージ上で暴れても、リズムの屋台骨が崩れることは決してない。

キャリア年表:事故からの帰還と「ザアザア」の完成

2010年代中盤まで:ドラマーとしての研鑽
長野県に生まれ、バンド活動を志して上京。いくつかのインディーズバンドで経験を積む中で、ラウドロックからメロディアスな歌モノまで幅広い対応力を身につける。
2017年:ザアザアへの加入と直後の大きな試練
2014年末に結成されたザアザアは、独特のコンセプトで徐々に動員を伸ばしていたが、ドラマーの脱退を経験する。その後、サポート期間を経て2017年9月16日、亞んはザアザアに正式加入する。バンドにとって新たな推進力が加わった直後の2017年10月、ツアーへの移動中に彼らの乗った車が高速道路で大型トラックに追突されるという深刻な交通事故が発生する。
この事故により、亞んは「第一腰椎圧迫骨折」というドラマーにとって致命傷になりかねない重傷を負い、2週間以上の入院を余儀なくされた。加入直後のメンバーがこの困難に見舞われたことはバンドにとっても大きな危機であったが、ファンとメンバーの支えにより懸命なリハビリテーションを敢行。驚異的な精神力で復帰を果たし、その出来事は結果的にバンドとファンの絆をより強いもの(「痛み」の共有)へと昇華させることとなった。
2018年〜現在:中毒者たちの熱狂とシーン最前線への躍進
復帰後、ザアザアは怒涛のリリースとライブツアーを重ねる。「死んじゃったポチの話」「五月蝿い、五月蝿い、五月蝿い」といった強烈なタイトルの楽曲群の中で、亞んのドラムはさらにヘヴィさとしなやかさを増していく。全国ツアーやZeppクラスでのライブを成功させるなど、現在のヴィジュアル系インディーズシーンにおいて最も勢いがあり、動員力のあるバンドの一つへと成長を遂げた。亞ん自身も、大ケガを後遺症を感じさせないパワフルなプレイで、もはやザアザアのサウンドに欠かすことのできない絶対的な大黒柱となっている。

使用機材

ドラムキット:ヘヴィネスを支えるタイトなサウンド

ザアザアの重厚なラウドサウンドを支えるため、ドラムキットのチューニングは全体的にタイトでアタック音が強調される傾向にある。バスドラムにはミュートをしっかりと施し、速いパッセージのツーバス連打でも音が濁らず「ドコドコ」という粒立ちがはっきりと客席に届くよう調整されている。タム類も同様に、サスティン(余韻)を短めにカットすることで、ギターの歪んだリフの隙間を縫って抜けるサウンドメイクとなっている。

スネアとシンバル

スネアは硬質でピッチの高いチューニングを好み、手数の多いフィルインやブラストビート等の展開において、サウンドの輪郭がぼやけないことを最優先としている。小刻みなゴーストノートもクリアに発音させる技術を持つ。シンバル類は楽曲の起伏を表現するために多めにセッティングされており、特にアクセントとしてのチャイナシンバルの切れ味や、楽曲に「雨」のようなくすんだ色彩を与える薄めのクラッシュシンバルの選択が秀逸である。

主な参加プロジェクト・作品

ザアザア 作品群(代表作のドラム的観点からの俯瞰)

エピソード

交通事故を乗り越えた精神力

2017年における高速道路での追突事故と圧迫骨折は、背骨に過酷な負担がかかるドラマーという職業において引退すらよぎる凄まじい試練であったはずである。しかし彼は、決して表で弱音を吐くことなく、「必ずステージに戻る」という強い意志で復活を果たした。この「死にかけても音楽にしがみつく」という姿勢は、ザアザアというバンドが掲げる「痛絶」というテーマと図らずも完全にシンクロしており、ファンからの絶大な支持を集める原点となっている。(★★★ 事故報告の公式発表・当時のニュースリリースに基づく)

SNSでの発信とファンへの細やかな配慮

ステージ上での狂気を孕んだパフォーマンスとは裏腹に、公式SNS(X等)では非常に丁寧で人間味溢れる言葉を発信し続けている。ライブの告知や感謝の言葉はもちろんのこと、自身の誕生日のお祝いに対する真摯な対応など、ファン(中毒者)への優しさがにじみ出ている。こうした等身大のキャラクターとステージ上での変貌ぶりこそが、現代ヴィジュアル系のミュージシャンとして正しい姿である。

ロック/セッションドラマーとしての位置づけ

2010年代後半以降のヴィジュアル系シーンにおいて、ザアザアほど強烈なコンセプトを保ちながら音楽的なクオリティを担保し続けているバンドは少ない。亞んのドラミングは、「コンセプト・バンドにおけるドラマーの正解」の一つを提示している。ボーカルの異常な表情やギターのノイズを邪魔することなく、しかし楽曲の破壊力は最大限に担保するという「職人的なバランサー」の役割を果たしているのだ。
事故という大きなアクシデントを乗り越え、肉体的な限界に挑みながらステージでビートを刻み続ける彼の存在は、ヴィジュアル系シーンの底力を証明するものであり、今後も同シーンを牽引する重要なプレイヤーの一人として数えられるべきである。

Drummer JAPAN 人気投票 2025 での扱い

Drummer JAPANによる「日本のドラマー人気投票2025」において、亞んは第41位(126票)を獲得した。インディーズ・ヴィジュアル系シーンという枠組みの中での活動が主軸でありながら、バンドの持つ熱狂的なファンベースの大きさと、彼個人のドラマーとしての生き様に対する評価が全国規模のランキングに反映された形と言える。若手ヴィジュアル系バンドのプレイヤーが、こうした垣根を超えたドラマー人気投票にランクインすること自体が、彼の確かな実力と知名度の証である。

所属バンド/レーベル 変遷

出典

今後追記予定の欠損情報

最終確認:2026-04-19
このページはDrummer JAPANが独自に制作したドラマーアーカイブです。情報は随時更新します。

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