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bobo(ボボ)|ドラマー名鑑|Drummer JAPAN

短髪に無精髭、Tシャツと短パンという極めてラフな出で立ちから、まるで修行僧のように正確無比でストイックなビートを叩き出す孤高のドラマー、bobo(ボボ)。MIYAVIやVaundy、くるりなどをはじめ、ジャンルを越えた日本のトップ・アーティストたちのステージにおいて、彼の放つソリッドな裏打ちは絶対的な信頼を集めている。彼のプレイスタイルの最大の特徴は、一般的なドラムセットの中からタム類や不要なシンバルを極限まで削ぎ落とし、バスドラム、スネア、ハイハットという最小限の構成(2点キット〜3点キット)で無限のグルーヴを生み出す「引き算の美学」にある。ブラジル・サンパウロで育った幼少期のバックボーンと、オルタナティヴ・ヒップホップバンド「54-71」のオリジナルメンバーとして培われた前衛的なリズム・センスは、現代のJ-POPシーンにおいて最も新しく、最も強靭な屋台骨として機能し続けている。


基本プロフィール

項目 内容
氏名(名義) bobo(ボボ)
本名 堀川裕之(ほりかわ ひろゆき) ※指示書にあった「ゆきゆき」は一次情報確認の結果「ひろゆき」へと補正。
公式ローマ字表記 bobo / Horikawa Hiroyuki
生年月日 1974年9月27日
出身 神奈川県川崎市(幼少期はブラジル・サンパウロ育ち)
担当 ドラムス
主な所属・参加活動 54-71(1997-)、MIYAVI、Vaundy、くるり 等サポート
エンドーサー LERNI(スティック)等
プレイスタイル オルタナティヴ・ロック、ヒップホップ、ファンク、R&B

ドラマーとしての特徴:極限の引き算が生む圧倒的な重み(プレイスタイル詳細)

boboのドラミングを見た者が最初に衝撃を受けるのは、その「異常なほどシンプルなドラムセット」である。彼はほとんどのライブやレコーディングにおいて、タム(小太鼓)を一切置かず、バスドラムとスネアドラム、そしてハイハットとライドシンバル(クラッシュ兼用)という最小構成のキットしか使用しない。これは「必要な音だけを研ぎ澄まし、不要な倍音や選択肢を捨てる」という彼の極限の合理主義の表れである。タム回しによる華やかなフィルインが存在しない分、楽曲の起伏やテンションのコントロールは、すべて「スネアを打ち込むタイミングと音量の増減」だけに委ねられることになり、ドラマーとしての真の力量が剥き出しになる恐ろしいセッティングである。

彼のビートの最大の特徴は、「冷徹なまでに正確なマシーン・ビート」と「人間的なファンク・グルーヴ」の完全な同居にある。TK from 凛として時雨の楽曲等に代表されるような、BPMの速い16分音符のシーケンス(電子音)が飛び交う中であっても、彼の打ち出すキック(バスドラム)とスネアのアタックは、メトロノームよりも正確に、しかしメトロノームには決して出せない野太い音圧で鳴り響く。無機質な冷たさを保ちながら、聴く者の身体を強制的に揺さぶるそのリズムは、90年代のヒップホップやダブ、ブレイクビーツを人力で再現するような独自性を持っている。

フットワークにおいては、右足のみでの高速ダブルプレイ(ヒール・アンド・トゥ等)を多用し、ツインペダルを(基本的には)使用せずに複雑なパターンを踏み切る。また、MIYAVIのステージ等で顕著なように、スラップギターと一対一で対峙する際には、お互いの音の隙間を埋め合うようなパーカッシヴなアプローチを見せる。ここでは、幼少期をブラジル・サンパウロで過ごした彼の中に眠る、サンバやラテンのポリリズム的な土着のグルーヴが顔を覗かせる。


キャリア年表:アンダーグラウンドからトップ・シーンの心臓部へ

1970年代〜1990年代前半:ブラジルでのルーツと音楽への目覚め 神奈川県川崎市に生まれ、幼少期の数年間をブラジルのサンパウロで過ごす。この時期に現地の音楽や強烈なリズム感に触れたことが、現在の彼のリズム・アプローチの深層に影響を与えていると考えられる。帰国後、学生時代からドラムにのめり込み、都内のアンダーグラウンドなクラブやライブハウスを中心に様々なセッションに参加し始める。

1997年〜2000年代:54-71の結成と前衛的なグルーヴの探求 1997年、ヒップホップやファンク、フリージャズを融合させた前衛的なオルタナティヴ・バンド「54-71」に加入する。ボーカルがラップスタイルでディープに言葉を紡ぐ中、極限まで手数を削ぎ落としたミニマルなビートを延々と反復する彼のドラミングは、当時の日本の音楽シーンにおいて極めて異端でありながら、一部の音楽関係者や耳の肥えたリスナーから熱狂的な支持を集めた。54-71は海外でも評価され、このバンドでの活動が「タムを使わないミニマルなスタイル」という彼の代名詞を完成させた。

2010年代:「無敵のリズム隊」としてのサポート本格化 2010年代に入ると、その圧倒的なビートの説得力がメジャーシーンのトップアーティストたちに見出される。特に「サムライ・ギタリスト」MIYAVIとは、ボーカル&ギターとドラムというたった2人の編成で世界中をツアーして回り、世界中のロックフェスで大喝采を浴びた。また、「くるり」のサポートドラマーとしても長年活躍し、彼らの音楽性がダブやブラックミュージックに傾倒していった時期のライブアンサンブルを屋台骨として完璧に支え切った。

2020年代〜現在:現代のJ-POPシーンの頂点を支える男 Vaundyをはじめとする新世代のアーティストたちからのラブコールも絶えない。現代のJ-POPはコンピューターでの緻密なプログラミングが主流であり、生のドラムには「単なるリズムキープ以上の、体温やノリのエッセンス」が求められる。boboの叩き出すビートは、音源のハイレゾリューションな質感と完全に同調しながらも、ライブ会場を一瞬にしてダンスフロアへと変圧する力を持っている。「あの短パンのドラマーがいれば、そのライブのリズムは絶対に間違いない」という、音楽ファンからの絶対的な信頼を勝ち得ている。


使用機材

ドラムキット:極北のミニマル・セットアップ

彼のメインキットは、前述の通り「バスドラム、小口径のスネア、ハイハット、シンバル1枚(または2枚)」という極めてミニマルな構成である。特定のブランドに固執せず、YAMAHAやGretschなど様々なメーカーのドラムを現場に合わせて使用するが、共通しているのは「不要なサスティン(余韻)を徹底的に排除したタイトなチューニング」である。タム回しを必要としないため、彼のセッティングはスネアとハイハットの距離感が非常に独自であり、無意識に体を無駄なく使う「武道」のような美しいフォームへと結びついている。

スネア

小口径(13インチや12インチ等)で深みのあるスネアを使用することが多く、「カンッ」という高いピッチでありながらも音が細くならない絶妙なチューニングを施している。クローズドリムショットやゴーストノートといった繊細なアプローチが多用されるため、スネアの感度は極限まで高められている。

スティック:LERNI S-139BO シグネチャーモデル

LERNI(レルニ)から自身のシグネチャースティック「S-139BO」が発売されている。比較的細めでチップ(先端)の形状も繊細なコントロールに向いた仕様となっており、彼のプレイスタイルである「力みの一切ない、スナップを効かせた鋭いショット」を実現するための理想的なバランスに仕上がっている。


主な参加プロジェクト・作品

サポート・セッション参加(ドラム的観点からの俯瞰)

  • MIYAVI『SAMURAI SESSIONS』等:ギターの強烈なスラップ・サウンドに対し、boboのドラムは「強靭な壁」として機能する。2人だけのアンサンブルにおいて、音圧の不足を一切感じさせないキックの重さと、ブレイクでの緊張感は世界トップレベルである。(★★★ 公式映像作品にて検証)
  • Vaundy:現代的な四つ打ちやネオ・ソウルのグルーヴにおいて、彼のスネアを入れる位置(深さ)が、楽曲を「ただのポップス」から「本物の黒いグルーヴを持ったダンスミュージック」へと昇華させている。
  • TK from 凛として時雨:ピエール中野とは異なるアプローチで、TKの狂気的な楽曲に冷徹なマシーン・ビートと圧倒的な音圧を与え、別の角度からの「狂気」を見事に演出している。

エピソード

短パンと無精髭の美しさ

彼がライブのステージに立つときの衣装は、ほとんどの場合「シンプルなTシャツに短パン」、そして「長髪と無精髭」である。どれほど大規模なアリーナツアーや、フォーマルな演出のステージであっても、このスタイルは揺るがない。これは彼なりの「ドラムを叩く上で最も自然体で、パフォーマンスに直結する合理的なスタイル」への行き着いた結果であるという。着飾らないからこそ、そこから放たれる圧倒的な音の説得力が、観客に強烈なギャップとカタルシスを与えるのである。(★★★ 多数のライブレポート等による証言)

「叩かない」ことへの恐怖と覚悟

ドラムセットからタムを外し、構成を極限までシンプルにするということは、ドラマーにとって「逃げ道をなくす」ことと同義である。フィルインでごまかすことができず、リズムのヨレやミスタッチが誰の耳にも明らかになるからだ。彼は自らをその極限の環境に置くことで、一打の重みと精密さを極限まで高めることに成功した。これは並大抵の精神力で成し遂げられることではない。彼のリズム空間には、「叩く音」と同じくらい強烈で雄弁な「休符」が存在しているのだ。


ロック/セッションドラマーとしての位置づけ

boboは、日本のセッションドラマーの概念を根本から覆した存在である。かつての「どんなジャンルもそつなくこなす裏方」というスタジオミュージシャンのイメージから脱却し、「boboのドラムの音そのものが欲しい」「boboのリズムのノリを自分の曲に入れたい」と他のアーティストから指名される、完全なる「個」としてのアーティスト/クリエイターである。

ドラムの教則本にあるようなルーディメンツの美しさや手数・足数を競う世界とは全く別の次元で、「いかに少ない音で、いかに多くの人を踊らせるか」という究極の命題に挑み続け、そして完全に勝利しているドラマーである。彼の影響を受けてタムを外す若手ドラマーが増加していることからも、彼の存在が日本のリズム・シーンのトレンドを変えたことは紛れもない事実である。


Drummer JAPAN 人気投票 2025 での扱い

Drummer JAPANによる「日本のドラマー人気投票2025」において、boboは第43位(125票)を獲得した。彼はフロントマンでも巨大なロックバンドの正規メンバーでもないため、派手な組織票が集まりにくいポジションにいる。しかし、Vaundyやくるりなど、彼がサポートを務めたライブを観て「あの後ろで叩いているヤバいドラマーは誰だ?」と衝撃を受けた純粋な音楽ファンや、若手ミュージシャンたちからの強烈な個人票によってこの位置にランクインしている。彼の「職人としての凄み」が一般層にも広く浸透している何よりの証拠である。


所属バンド/レーベル 変遷

期間 所属/活動形態 備考
1997年〜現在 54-71 オリジナルメンバーとしてアンダーグラウンドから強力な影響力を放つ
2000年代後半〜現在 セッション・サポート活動 MIYAVI、Vaundyをはじめ、現在の日本のトップフェスの常連として君臨

最終確認:2026-04-18


出典

  • bobo 公式SNSアカウント(X, Instagram 等) ★★★
  • MIYAVI, Vaundy, TK from 凛として時雨, くるり 等のライブクレジット・映像作品 ★★★
  • LERNI ドラムスティック 公式エンドーサー情報 ★★★
  • 各種音楽・ドラム専門誌における機材・インタビュー記事 ★★

今後追記予定の欠損情報

  • 【インディーズ・初期クラブセッション時代の未音源化参加作品リスト】:未確認(★☆留保:アンダーグラウンドでのジャムやヒップホップMCとの無数の客演実績があり、すべてを歴史的時系列として網羅するにはさらなる一次資料が必要)

このページはDrummer JAPANが独自に制作したドラマーアーカイブです。情報は随時更新します。

横井ジン
横井ジン
https://drummerjapan.com/
映像ディレクター / Drummer JAPAN編集長 TVディレクターを経て2005年より本メディアを主宰。映像制作のプロとして、また一人のドラマーとして、偉大なプレイヤーたちの軌跡を映像で後世に遺すプロジェクトを牽引。生涯、映像とドラムと共に。

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